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「ブランカとアカネネパパの100日戦争」 3/3



 



6/21
 朝5時半、アカネネママが起きたら何とブランカが寝床にいない。離れたところにあるケージに入っていた。しかも居間の真ん中にはおしっこの跡。飲んでいる量からして朝の5時におしっこが出るのも意外だったが、自力で居間を歩き回ったことが信じられない。昨日は完全に寝たきりだったのに。更に朝9時頃、アカネネパパが居間にいるとき、ブランカが近くにある水ではなく、パパの側にある水のみ場まで歩いてきたことだ。ここ何日か自力で体を起こし、自力で歩いているところを見たことが無い。


 それがひょろひょろしながらも自力で歩いているのだ。まだそんな元気があるのだ、嬉しい。


 でも力尽きたのかそのままその近くに寝そべってしまった。足の腫れ、包帯の状況を確認すると、包帯に血が全く滲んでいない。昨晩から出血が止まったようだ。それで足の苦痛が緩和され歩けたのだろうか。しばらくしてから、これなら何か食べるかなと思ってトライしたが、やはり期待むなしく何も食べることは出来なかった。


このまま1日中寝たきり状態。


 ブランカは完全にアカネネパパの子です。寝たきりになっていても常にアカネネパパの動向を目で追ってきます。アカネネパパがブランカの方を見ると100%アカネネパパを見つめています。これがアカネネパパを苦しめます。ブランカの容態が日を追って悪くなっていく中、アカネネパパの苦しさも日を追って増してきて、体調が自律神経の変調によってドンドン悪くなっていきます。こんなにもアカネネパパに期待・関心を示しているのに、何も楽に楽しくさせてあげられない。喜びを与えられない。


 見ているのがつらく体もつらいので、アカネネパパも1日の大半を自室に閉じこもり伏せていたり、あまり乗り気でない日曜大工の作業をしたり、何も関心の無いTVを眺めていたりして、ブランカのことを極力考えないようにして時を過ごします。そして時々水を飲ませに行ったり、フードにトライしたり(殆ど食べられないので、その失望がアカネネパパにダメージを与えます)、声をかけたり全身を撫ぜたりするために居間に入ります。

 それ以外は、居間にいればずーっとアイコンタクトをとって来るブランカの視線に、悲しみ苦しさ哀れさが湧き上がってきてとても耐えられないので、自室にこもっているしかなくなってきました。


 そのアカネネパパの精神・体の状態が家族には中々理解されません。犬の具合が悪くて人間の具合も悪くなってしまうというのが理解されないようです。しかしブランカの具合が悪いのは一時的な状況ではなく、また改善の望みも無い悪化の一方、そして近い将来の別れを意味しているので、その恐れを抱きながら愛するブランカとの最後の日々が、何もしてやれないで過ぎていってしまうのは非常に苦痛なのは誰しも感じると思うのですが。

 午後3時頃抱いて屋外におしっこに行く。草の匂いを嗅がせてやっと出る。ウンチも4日ぶりに少しする。良かった。

 夕方、10日以上ぶりに吐きました。寝たままで茶色い液体を吐いていました。少量でしたので喉につかえずに良かった。内容物からすると、24時間前にほんの少量食べた肉・コロッケ。あのほんの少量のフードが消化できずに残っていたなんて。胃が全く機能していないようだ。これでは今日は食べるのは無理だ。夜10時、外で3人がかりでおしっこさせる。

「在りし日のブランカ」09
この上目遣いがアカネネパパには魅力でした。
「ブランカとアカネネパパの100日戦争」 3/3_b0201756_2023936.jpg




6/22
 朝8時頃、臥せって寝たままトイレシートの上におしっこしていた。大分茶色い。今日は立って歩けなかったようだ。犬は寝たままおしっこするのは気持ち悪いので、出来れば立たせてさせてあげてと院長に言われていたが、寝たまましてしまうのはもうそういう状態なのだろう。つらい覚悟を決めなければ。もう立たせるのも多分負担になるだろう。濡れて汚れているだろう腰の毛を丁寧に丁寧に拭いてやる。



 今日はアカネネママが仕事でいなかったのでアカネネパパが主に面倒見る。昨夜更に更に覚悟を固めたので、何とか耐えられる。今日もアカネネパパの動向を常に目で追ってくる。アカネネパパがちょっと部屋を出て行こうとした仕草を見せた時、初めて「くぅー」と鳴いた。ブランカが「行かないでー」と言っている。涙がこぼれる。

 今日はすこしでも楽にしようと、臥せった体の下の部分に手を差し入れてさすったり、暖まってしまったフトンを入れ替えたりした。足の腫れは足首から上の部分にも上がってきてしまった。初めてだ。腫瘍がドンドンブランカの体を侵食し始めたようだ。苦しまないで欲しい。それだけが願いだ。悲しいけれど、それだけが願いなのだ。


 夕方になると、目で追うことも減ってきてしまった。3時頃トイレシートにおしっこしていた。沢山飲めているわけでもないのにおしっこの頻度が高い。水を多く飲ませようと首の辺りを持ち上げて半身起こさせようとすると、首の辺りが痛い時があるのか、キャインと鳴くことがあるようになってしまった。飲める水の量が昨日より圧倒的に少ない。脱水症状が怖い。注射器での水遣りをもっともっと頻度を上げなければならないのか。飲むのも楽なことでは無さそうだが。


 アカネネパパの夕食時、いつもならアカネネパパをじっと目で追うはずだが、目を閉じている。これも今までなかったことだ。それほど衰弱しているということか。そういう姿を見るのは悲しくてブランカの居る居間ではとても食事が喉を通らない。2階で一人でひっそりと食事する。

 食後居間に行くと、眼球の動きは極めて少ないがそれでもアカネネパパを見つめているように思う。ブランカの涙が多い、拭ってやる機会が増えた。今日はおしっこに外へは出さないほうが良いだろう。トイレシートで苦痛でないのなら、あと処理を綺麗にしてやれば良い。


「在りし日のブランカ」10
いつもアカネネパパの机の下からおやつのおねだり。
「ブランカとアカネネパパの100日戦争」 3/3_b0201756_2033988.jpg




6/23 
 朝7時半、居間に降りて昨日の夜12時半にトイレシートでおしっこと、ウンチをしたよ、というアカネネママの報告を耳で聞きながらブランカの様子を見る。エッ、息をしていないように見える。何度も確認する。ママー、息をしてないよ、気がつかなかった? いつもながらアカネネママ少し鈍感です。


 罪悪感がむくむくと湧き上がってきました。こんなにも悪い状態なのに、アカネネパパの姿を求めていたはずなのに、ついていてやれなかった。


 アカネネパパ、3年前アカネが息を引き取ったときは3~4日徹夜で(日中寝ているのですが)ついていて最後を見送ることが出来ました。1年半前から自律神経の不調で体調を崩してからは、そのようなことはもう出来ないと諦めていましたが、それでももし最後の最後が判れば今回も1回くらいは夜から朝にかけての付き添いにトライしたいなとは考えていました。でもそれすら叶わなくなりました。


 昨日の日中まであれだけアカネネパパの後を目で追っていたのに、体もやせ衰えていずまだまだ体力があるように見えたのに、こんなに早く逝ってしまうなんて。9年前のネネの時と同じように、今回もアカネネパパは自分の体力と犬の体力を見極めながら最後を見送ろうとして結局その機会を逸してしまった。もっと体力と強い精神力があれば心置きなく見送ることが出来ただろうに。


 でも、早く逝ってくれたことは一方ではアカネネパパの願いでもありました。老衰の場合と違って病気のなど場合の最後にくるかもしれない苦痛をずっと恐れていたので、これから3~4日の間にも苦しむ可能性があるなら苦しまないうちに逝って欲しいとも願っていて、それは良かった、ほっとしています。

 ブランカの心の中は判らないけれど、外観からは最後まで苦しんだようには見えません。これが心の救いです。ブランカが苦しむようなことあったら、アカネネパパの体にも深刻なダメージを与えたかもしれません。ブランカはネネと同じように、アカネネパパを気遣って早く逝くことにしたのかもしれません。


「在りし日のブランカ」011
何思うブランカ。
「ブランカとアカネネパパの100日戦争」 3/3_b0201756_2044555.jpg



 先代のネネは18年、アカネは14年我が家で暮らしました。とても長く犬も人も充実した犬生だったと思います。しかしブランカは10歳くらいで我が家に来て、我が家ではたった2年半しか一緒に過ごせず、それが心残りです。せめて4~5年あれば、もう少し生きてて良かったと思われる一生を送らせることが出来たのに。


 でもブランカはとても甘え上手で、来てすぐにアカネネパパの心をがっちりと掴みました。食べることが大好きなブランカにとって、やや(いや、<かなり>かな)犬に甘いアカネネパパとの生活は食べる楽しみは満喫できたのではないかと、心を慰めています。おやつも入れると1日に6回も7回も食べる機会があるのですから。散歩が好きだったら最高だったのですが、残念ながらブランカは家に来た当初からほとんど走ったのを見たことがありません。

 少し長い距離を歩かせると、あのアカネネパパにとっては「魅力的な」白目の多い上目遣いで、不満そうにしていました。ドッグランなどでも、チーや幸丸が走り回っていても、何をしたらよいのか、所在無さ気でした。多分前に飼われていた環境下で脚力を衰えさせてしまったのでしょう。


 2年半というのは、一般的には短いのでしょうが、ブランカの甘え上手がアカネネパパとの暮らしを期間以上に濃密なものにしてくれたと思っています。期間が少ない分思い出の数も少ないのですけれど、アカネネパパの心には、先代のアカネや先々代のネネにも劣らない強い印象・思い出を残してくれました。



 さよなら、ブランカ。また会おうねー。



「在りし日のブランカ」12
皆さん、お世話になりました。皆さん、これからもお元気で。
「ブランカとアカネネパパの100日戦争」 3/3_b0201756_2054930.jpg




by akanenepapa | 2016-06-23 20:05 | ブランカ


アカネとネネの家に溶け込んだ保護ワンコの日々


by akanenepapa

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